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2017.07.14

離陸せよ、と彼女はいった 。

離陸せよ、と彼女はいった 。

とはいえ飛べる翼も超能力もないアタクシに離陸できる筈はなく 、
憐れに滑稽に、産まれたての雛、出来損ないのバレリーナのように、ヨタヨタぴょんぴょん足掻くばかり 。
すると彼女は、さらに追い討ちかけ情け容赦なくごっつい男物の時計を指し示しながら〝はよせはよせ〟とまくしたてる 。
数時間は経ったろうか 。飽きもせずまた諦めもせず、ずっとこの調子で叱咤を続けている彼女の本気もさることながら、せっつかれつつバレリーナ続けるアタクシの根気根性も見上げたもんである。
重要なのは止めるきっかけ。恐らく両者共、もはや飛べないだろうことは薄薄勘付いてる。だのにどういうわけだか自分から止めることができない。目と目で互いに目配せしながら、だけども一向に譲る気配もないまま、無益な攻防戦が続き、そして夜が明けた。
彼女もアタクシも疲労困憊。その時である。奇蹟が起きたのは。

おはよう!

誰かの声がした。
ハッとしてグー。俊敏にせんべい布団から飛び起きると、そこに彼女がいた。リアルに動いてたはずの彼女が、先ほどとは打って変わって全く微動たりともしない。アルカイックスマイルのまま凍てついてる。

そうか。そうだった。彼女はもういない。写真なのだ。ピンナップポスターなのだった。声が聞こえたのは気のせい。まだ起き抜け微睡む世界のなかで夢のつづきを見てたにちがいない。

と、あきらめかけたその時、

彼女は言った。

『 離陸せよ 』




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